ビートルズ

ビートルズは、1960年代に世界を席巻した伝説のロックバンドです。彼らの音楽は、今でも多くの人々に愛され、影響を与え続けています。

ビートルズの魅力は何でしょうか?

このブログでは、ビートルズの歴史や作品、メンバーの人柄やエピソードなどを紹介していきます。

ビートルズファンの方も、これからビートルズに興味を持ちたい方も、ぜひご覧ください。ビートルズの世界に一緒に浸ってみましょう!

魔法のテクニック

ビートルズはレコード盤に針をおいた瞬間に、聴く人の心をつかむ魔法のテクニックをもっていました。

イントロがなくいきなり歌い始める曲、不協和音やアンプの雑音などをイントロに使う曲。常識や既成概念にとらわれない自由奔放な発想で今日を作ってきました。

代表的な曲をいくつか紹介すると

  • HELP!
  • I Want to Hold Your Hand
  • She Loves You
  • A Hard Day's Night
  • I Feel Fine
  • Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

「HELP!」はビートルズの映画『ヘルプ!』の主題歌で、ジョン・レノンがリード・ボーカル。

イントロはジョンの「Help!」という叫ぶような歌い出しから始まります。「HELP」という単語から始まるフレーズを3回繰り返して最後にまた「HELP」という単語を使う。

現在で言うところの「サビ出」ってやつですね。

とてもキャッチーで聴く人の関心を一気に集める手法です。まして言葉が「HELP」なんだから、聴き手は「何が?」となってしまう。

実はこの曲はジョンが自分の苦悩を吐露したもので、本人は「本当に助けを求めていた」と語っていたというエピソードもあります。

「I Want to Hold Your Hand」はビートルズがアメリカで初めてヒットしたシングルで、ポール・マッカートニーとジョン・レノンがボーカル。

この曲はイントロがないというわけではないのですが、今では当たり前になっている曲の頭から盛り上がった雰囲気で始まっています。

この曲もイントロは短いフレーズの数回繰り返して、聴き手の期待値を盛り上げていく手法だと思います。

「A Hard Day's Night」この曲はギターのコードサウンドから始まる曲で、とてもキャッチーな曲の入り方をしていますね。

ギターで聴衆の耳を一気にこちらに引きつけてから、ジョンの歌声が響く。

このやり方もファンにとってはたまらない手法で、特にライブなんかではギターを鳴らした後どれだけ焦らされるか、そんな時間もファンにとってはたまらない時間になります。

そんな演出も意識した曲の出だしなのではないかと思うくらい、印象的な作り方ですね。

「I Feel Fine」この曲の出だしの音、おそらくギターなんだけどフィードバックというかフレットに触っているノイズみたいな音が途中から聞こえてくる。

普通なら雑音。

ところが彼らはサウンドとして曲のイントロにしてしまう。

まさにアイディアと実行力。

もちろん、それが許される地位というか存在感もあったとは思うけど、それにしても斬新。

「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」この曲にいたっては「あれ?書ける曲間違えた??」って思うくらい意表をつく曲の始まり方。

クラブ(大昔の)のガヤのサウンドから始まるこの手法、当時はかなり斬新だったと思う。

賛否はあったようだけど、それを跳ね返すだけの楽曲のクオリティもビートルズの魅力。

想像力を刺激する

ビートルズは、歌詞の内容や表現力も進化させていきました。

当時のポピュラーミュージックでは恋愛や恋人への想いを歌詞にすることが主流だったけど、ビートルズはそれだけじゃなかった。

ビートルズは自分自身の感情や経験、社会的な問題や風刺なども歌詞の中に取り入れていった。

また、抽象的な言葉遊びや意味不明なフレーズを使って聴く人の想像力を刺激した。

ジョン・レノンが作った「In My Life」という曲。

この曲はジョンが自分の人生を振り返って書いたもので、思い出の場所や人々への愛情や感謝を歌っています。

この曲は形而上学派と呼ばれる詩に近いと言われていて、まさに「詩人」ジョン・レノンを代表する曲になっています。

「Taxman」というジョージ・ハリスンが書いた曲は、イギリスの高税率に不満を持って書いたもので、政府や財務大臣を皮肉っています。

「Revolution」この曲はジョン・レノンが1968年の世界情勢にインスパイアされて書いたもので、暴力革命に反対する立場を表明しています。

この後もジョンは一貫して平和主義者でしたね。

楽曲で平和を願うという行動は、のちに世界中のアーティストがインスパイアされ、現在でも続いています。

「Blackbird」ポール・マッカートニーがアメリカで起こった公民権運動に共感して書いたもので、黒人女性(blackbird)が自由を求めて飛び立つ姿を歌っています。

「I Am the Walrus」この曲はジョン・レノンが意図的にナンセンスな歌詞を作ったもので、様々な解釈がされています。

「Lucy in the Sky with Diamonds」この曲はジョン・レノンが息子のジュリアンが描いた絵にインスピレーションを得て書いたもので、幻想的な世界を歌っています。

この曲については、LSDの略だという噂が世間から言われたりしましたが、ジョンは否定しています。

「Come Together」この曲はジョン・レノンが政治家のティモシー・リアリーの選挙キャンペーンソングとして書いたもので、不思議なキャラクターを紹介しています。

日本では思想や政治に関わる内容の歌詞はあまり好まれない傾向にあります。

だから余計にビートルズのスタイルに感銘を受けたり憧れたりしたんだと思う。

いまだに日本では、政治・思想・人権、こういった内容を歌詞にすると表の世界では活動が制限されてしまうからね。

ジョンはそんな日本をどう思っているのだろう。。。

斬新なサウンド

ビートルズは、楽器と演奏法の新境地を開きました。ギターやベース、ドラムスだけでなく、シタールやメロトロン、モーグ・シンセサイザーなどの珍しい楽器も取り入れました。

また、バッキング・トラックやテープ・ループ、リバースやフランジングなどの録音技術も駆使して、斬新なサウンドを作り出しました。

「Norwegian Wood(ノルウェーの森)」ではジョージ・ハリスンがインドの弦楽器シタールを演奏した最初の曲で、東洋的な響きが印象的です。ジョージはシタールに興味を持ち、インドの音楽家ラヴィ・シャンカルに師事して習得しました。

「Strawberry Fields Forever」この曲はこの曲はジョン・レノンが幼少期に遊んだ場所を歌ったもので、メロトロンという鍵盤楽器を使っています。メロトロンはテープに録音された様々な音色を再生することができる楽器で、この曲ではフルートの音色が使われています。

「Here Comes the Sun」この曲はジョージ・ハリスンが冬が終わって春が来ることを歌ったもので、モーグ・シンセサイザーという電子楽器を使っています。モーグ・シンセサイザーは電気信号を変換して様々な音色を作り出すことができる楽器で、この曲では中間部で聞こえる高音が使われています。

現在ではシンセサイザーを使うなんて当たり前すぎるくらい当たり前だけど、この作品の時代(1969年ごろ)ではその存在すら貴重で、ましてポピュラーミュージックに使用されるなんてかなり斬新だったと思う。

そして新しいものを使ったときにありがちな、ただ使ってみた的な使用感は全くなく、きちんとそのサウンドの必然性を感じる名曲。

「I’m Only Sleeping」この曲はジョン・レノンが睡眠と夢の世界を歌ったもので、リバースという技法を使っています。リバースとはテープを逆回転させて再生することで、逆再生された音が聞こえるようにする技法です。この曲ではジョージのギター・ソロがリバースされています。

個人的にこの曲はジョンの作品でも一番好きなもののひとつ。なんか、「ざ!ジョンレノン!」って感じがしてすごく好きです。脳を直接刺激されるというか。とにかくジョンの才能にひれ伏した1曲です。

「Tomorrow Never Knows」この曲はジョン・レノンが東洋思想やLSDの影響を受けて書いたもので、テープ・ループという技法を使っています。

テープ・ループとはテープに録音された音を切り貼りして繋げてループさせることで、繰り返し聞こえるようにする技法のこと。この曲では様々な音がテープ・ループされています。

そう。

現在では当たり前に行われているループ音源を使ったサウンドと同じ感覚。50年以上前の作品なんだけどね。。。

「A Day in the Life」この曲はジョン・レノンとポール・マッカートニーがそれぞれ書いた曲を繋げたもので、フランジングという技法を使っています。

フランジングとはテープの再生速度を微妙に変えることで、音に揺らぎや深みを与える技法です。この曲ではドラムスやボーカルにフランジングがかけられています。フランジャーというエフェクターでもお馴染みだよね。

ポールとジョン。

二人の存在そのものが斬新。

別の人間が書いた曲をひとつの曲で繋げるなんて普通できないよ。

トラックメイクじゃないんだから。

ビートルズで印象に残る曲のひとつ。ぜひ聴いてみて。

ジャケ写

ビートルズは、ジャケットデザインもアートに変えましたね。彼らのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』は、色鮮やかで複雑なコラージュが施されたジャケットが話題になりました。また、『アビイ・ロード』では、メンバーが横断歩道を渡る写真がジャケットに使われましたが、これは偶然撮られたものではなく、交通規制をして撮影したものでした。

昔、まだCDがなかった時代。

レコードをジャケ買いするのがオシャレな時期がありました。

レコードのジャケットがカッコいいアーティストはほぼ間違いなく楽曲もカッコいい。

ビートルズもそのひとつ。

「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」このアルバムは1967年6月1日に発売されたビートルズの8作目のオリジナル・アルバムで、彼らの最高傑作とも言われる作品です。

ジャケットはポップアートの巨匠ピーター・ブレイクとジャニス・ホーキンスがデザインしました。

彼らはビートルズのメンバーから「好きな人物を選んでくれ」という依頼を受けて、様々な有名人やキャラクターの切り抜きや人形を集めてコラージュしました。

その中にはマハトマ・ガンディーやマリリン・モンロー、カール・マルクスやボブ・ディランなどがいます。

また、ビートルズのメンバー自身も若い頃の写真や蝋人形として登場しています。

このジャケットは当時としては非常に高額な制作費をかけて作られたもので、レコード会社からも反対されましたが、ビートルズは強く主張して実現させました。

このジャケットは音楽史上最も有名で影響力のあるものの一つとして認められており、多くのパロディやオマージュが作られています。

「アビイ・ロード」このアルバムは1969年9月26日に発売されたビートルズの12作目のオリジナル・アルバムで、彼らの最後にレコーディングした作品です。

ジャケットはファッションフォトグラファーのイアン・マクミランが撮影しました。

彼はビートルズのメンバーから「シンプルに撮ってくれ」という依頼を受けて、彼らがレコーディングしたスタジオの近くにあるアビイ・ロードという通りで撮影しました。

その際に交通規制をして10分間だけ道路を封鎖しました。その間に6枚の写真を撮りましたが、そのうちの一枚がジャケットに選ばれました。

その写真にはジョンが白いスーツ、リンゴが黒いスーツ、ポールが裸足でデニムのズボン、ジョージがジーンズのオーバーオールという服装で、横断歩道を渡っている姿が写っています。

このジャケットはシンプルながらも強いインパクトを持ち、世界中のファンや観光客が同じ場所で写真を撮るなど、カルチャーの一部になっています。

他にも印象的なジャケットはいっぱいありますが、この2作品はアートとしても評価されているジャケットのデザイン。

後半のビートルズは、メンバーそれぞれの表情に味わいがあって。

彼らがそこに移っているだけでアートだ!なんていう人もいました。

音楽をプロデュースするセンスとアートをプロデュースするセンスは同じものである。

これは間違いなく言えると思います。

Love

ビートルズはデビュー当初から“Love”という言葉を多用していましたが、その意味合いは単純な恋愛感情から広がっていきました。

ビートルズはデビュー当初から“Love”という言葉を多用していましたが、その意味合いは単純な恋愛感情からさらに大きな“Love”へと広がっていきます。

自分自身や家族への愛情や友情、平和や自由への希求、宗教的な愛や神秘的な愛など、さまざまな“Love”を歌いました。

「ジュリア」この曲は1968年に発売されたアルバム『ザ・ビートルズ』(通称ホワイト・アルバム)に収録されたジョン・レノンの作品です。

ジョンはこの曲で、幼い頃に亡くした母親ジュリアと、当時の恋人で後に妻となるオノ・ヨーコへの愛を歌っています。

ジョンはこの曲をレコーディングする際に、他のメンバーを立ち退かせて一人でギターとヴォーカルを録音しました。この曲はビートルズの楽曲の中で唯一、ジョンが一人で演奏したものです。

「レット・イット・ビー」この曲は1970年に発売されたアルバム『レット・イット・ビー』のタイトル曲で、ポール・マッカートニーの作品です。

ポールはこの曲で、夢の中で現れた母親メアリーから「悩むことはない、そのままにしておきなさい」という言葉を聞いたことを歌っています。ポールの母親は彼が14歳の時に乳癌で亡くなっています。

この曲はビートルズ解散の危機にあった時期に制作されたもので、ポールは自分や他のメンバーに対しても「レット・イット・ビー」というメッセージを込めています。

「ヘイ・ジュード」この曲は1968年にシングルとして発売されたポール・マッカートニーの作品です。

ポールはこの曲で、ジョン・レノンと離婚したシンシアとその息子ジュリアンへの励ましと友情を歌っています。当初は「ヘイ・ジュール」というタイトルだったが、歌詞が口ずさみやすくするために「ヘイ・ジュード」に変更されました。

ちなみにこの曲は、ビートルズ史上最も長いシングル曲で7分11秒もあります。

「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」この曲は1967年にシングルとして発売されたジョンとポールの共作です。

ジョン・レノンが主導的に作ったこの曲は、世界初の衛星中継番組『世界はあなたを見ている』(Our World)でビートルズが生演奏したものです。この番組は25か国で4億人以上の視聴者に見られたと言われています。

ジョンはこの曲で、ベトナム戦争や冷戦などの世界情勢に対して、愛こそがすべての解決策であるというメッセージを発信しました。

「Revolution」前にも出てきたこの曲。1968年にシングルとして発売されたジョンとポールの共作です。

ジョン・レノンが主導的に作ったこの曲は、当時の政治的な動乱や暴力に対して、自分の立場を明確にするために作られました。ジョンはこの曲で、暴力革命や権威主義には反対であるが、社会的な変化や個人的な自由には賛成であるという姿勢を示しました。

「イマジン」この曲は1971年にジョン・レノンのソロ・アルバム『イマジン』のタイトル曲として発売されたジョン・レノンの作品です。

ジョンはこの曲で、宗教や国家や財産などの人間を分断する要素がなく、平和で調和のとれた世界を想像するように歌っています。この曲はジョンの代表作の一つであり、世界中で多くの人々に愛されています。

「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」この曲は1967年に発売されたアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録されたジョージ・ハリスンの作品です。

ジョージはこの曲で、インド哲学や東洋思想に基づいて、人間の苦しみや愚かさ、そして真理や神への帰依を歌っています。この曲はインド楽器のシタールやタブラなどを多用したオリエンタルなサウンドになっており、ビートルズの楽曲の中でも異色のものです。

「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」この曲は1970年に発売されたアルバム『レット・イット・ビー』に収録されたポール・マッカートニーの作品です。ポールはこの曲で、神への信仰や祈りを表現したと言われています。

この曲はポールがピアノとヴォーカルだけで録音したものですが、後にプロデューサーのフィル・スペクターがオーケストラや合唱団を加えたアレンジを施しました。これに対してポールは不満を表明し、ビートルズ解散の一因となりました。

「アクロス・ザ・ユニバース」この曲は1969年に発売されたアルバム『レット・イット・ビー』に収録されたジョンとポールの共作です。

ジョン・レノンが主導的に作ったこの曲は、インドでの瞑想体験やトランス状態で浮かんだ言葉を元にしています。ジョンはこの曲で、宇宙や神や自己との一体感を歌っています。

今に受け継がれるサウンド

以上のように、ビートルズは音楽界に革命を起こし、世界中の人々に感動と影響を与えました。彼らの音楽は今もなお色褪せることなく、多くの人々の心に響いています。

Z世代の若者にも彼らの活躍や魅力を感じてほしいと思っています。

ファッションやカルチャーにおいて1960年代の世界を垣間見ることは刺激的なことだと思う。

「ビートルズ」

そのサウンドだけでなく文化として彼らを受け止めることで、きっと新しい何かが見えてくるはずだと、信じて疑わない僕でした。