retronica musicとは何か。このプロジェクトに込めた思いと、音楽への姿勢について。
30年以上、ゲーム音楽・映像音楽の制作に携わってきたサウンドクリエイター。ゲームBGM・効果音・歌唱曲・声優ディレクションなど、幅広いサウンドプロダクションを手がけてきた。
クライアントワークを通じて多くの作品に関わり、誰かの役に立てることのやりがいを感じ続けてきた。その一方で、自分の中にある「創造欲」——人の心を揺さぶる作品を作りたいという思いを、ずっと抱き続けていた。
今、その思いをすべてぶつける場所として「retronica music」を立ち上げた。
30年間、誰かのために音楽を作ってきた。クライアントワークはやりがいがあったし、自分のサウンドが誰かの役に立てることも嬉しかった。でも、もともと音楽を志したのは自分の中にある「何か」を表現したかったから。今やらないと後悔すると思った。
心が揺さぶられるのであれば、手段は何でもいい。泥臭くてもいいしスマートでもいい。100%人の手で作られていようが、AIを活用していようが。大切なのは「優れた作品」であること、ただそれだけだ。
このプロジェクトに関わったすべての人が、音楽を通じて自分の人生を切り拓けるように。歌い手、クリエイター、リスナー——それぞれが音楽とともに生きていける場所をつくりたい。
心を奮い立たせるものが音楽であったように、心を癒してくれるのも音楽だ。音楽は万能だ。その可能性を、このプロジェクトを通じて伝え続けていく。
「世界中の人たちの心を揺さぶり続けたい。その人の人生の彩になりたい。」
AIに対する偏見はない。あるとすれば「作られた作品」に対するこだわりだ。
音楽にしろ映像にしろ、「作ることに優れている」だけでは人は感動しない。「優れた作品」でなければならない。人であろうがAIであろうが、すぐれた作品を作れないこともあれば作ることもある。
人の心を揺さぶる作品作りに、法則や方程式など存在しない。だから手段は何でもいい。心が揺さぶられるのであれば、それでいい。
仮にAIを使うことで100%人の心を揺さぶる作品が作れる時代が来るとするならば、僕は音楽から離れているだろう。それはAIによる人間の精神の支配に他ならないと思うから。でも、人間はAI以上に可能性を秘めている。だからしばらくは共存していきたい。
心を奮い立たせるものが音楽であったように、心を癒してくれるのも音楽だった。今まで商業主義のなかで音楽を作ることを強いられてきた。売れるために何をするべきか、何を考えるべきか。
そこから離れたところにあるのが睡眠音楽・リラクゼーション音楽だと思った。聞いているようで聞いていない。押しつけがましいメッセージも存在しない。そんな音楽に浸りきった時間は、人生の中で必要だと思った。
自分自身も体調を崩したとき、睡眠音楽に救われた。だからそれを広めたい。音楽は万能なんだということを、世に知らしめたい。